【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「んじゃ、言葉遣いを直そうかな」
信号で停まったのを気に、振り返って、真琴は笑った。
「こっからは、幼馴染みのお姉ちゃんね?」
ニヤリと口角をあげる彼女は、昔とあまり変わらない。
昔と同じように、俺たちで遊ぼうとするんだ。
流石、姉さんの幼馴染み……
はぁ、と、俺がため息をつくと。
「さて、相馬、」
車を発進させながら、真琴が含み笑いをした。
「あ?」
その顔がムカついて、睨めば。
「あんた、この間のパーティー、シャンパンをぶっかけられたんだって?聞いたよ、京子に」
京子というのは、姉の名前である。
「……あんのっ、くそ姉!」
「……それ、京子に言っておこっか?殺されるよ、いろんな意味で」
「……チッ」
「え、何々?相馬が女にフラれたの?」
なにげに楽しそうな光輝が後部席から、話に割り込んでくる。
「そうなのよ、おまけにさ……」
どこまで聞いたのか、全てを運転しながら話す、真琴。
「ブッ……」
「ククッ……」
「アハハッ……」
「フフッ……」
そして、全てを聞き終わった後、全員が笑い出す始末。
光輝、風斗、大地、闇璃の順で笑った幼馴染み。
車内に、笑い声が響く。