【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
■相馬side□




「ここだよ、私んち」


御園本家とまでは言わないし、焔棠本家とまでは言わないが、それなりに大きな家。


「柚香たちは、先に来ているから……」


沙耶に案内され、ついてきた俺たち。


これから、集まってくれた女たちにある話をする。


遠い、遠い、昔の話。


非現実的な、現実の話。


「とりあえず、柚香、真姫、澪は呼んでるよ。確か、澪が他にも呼んでいるって言ってたけど」


「何人くらいだ?」


「えーとね……柚香、真姫、澪、夕梨さん、千尋さん、紗夜華さん、朱里さん、鈴蘭さん、梨華さん、燐さん……10人だね」


「えっ、夕梨も、紗夜華も来てるのか?」


後ろで驚いた声をあげる、風斗。


「来てるみたいよ?なんか、桜さんは来れないみたいだけど」


沙耶の言葉に、薫が拳を握りしめる。


「そっちも他に来るんだっけ?」


「ああ、甲斐と相模が叶夢と」


「甲斐、相模……もしかして、千歳のお兄ちゃん?」


沙耶の確認するような声に、千歳はうなずく。


「相模さんが、澪の夫だよね?会うの、楽しみ」


「なんでだ?」


「だって、澪ったら、ノロケまくるんだもの。澪があそこまで惚れる人を見てみたい気がするの」


楽しそうな沙耶。


これからする話は、楽しいものではないのに。


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