華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
容姿とか、戦う姿ももちろんカッコいいけれど、やっぱり一番惹かれるのはそこなのだ。

皆が恐れているとしても、私には特別で、彼だけが輝いて見える。


「あんな人初めてだった。無条件で、勝手に気持ちが走りだしちゃうくらい、“会いたい”って思う人は」


目を伏せて、これまでのことを思い返した。

セイディーレに会いたいと願った理由も、一緒にいるとなぜドキドキしたり、もやもやしたりするのかも、今ならはっきりわかる。

その答えを出そうとしたとき、アンジェが穏やかに微笑んで言う。


「本当に好きなんだね。ルリを見てれば一目瞭然だけどさ」


彼女がしたり顔をするから、私は恥ずかしくて肩をすくめて身を縮めた。

──そう、私はセイディーレのことが好きなんだ。きっと、出会ったときから、ずっと。

もう自分をごまかすことはできなくて、認めてしまえば、好きという感情が清々しいほどストンと心に収まった。

同時に、今まで感じたことがないような胸の苦しさを覚える。この恋は決して叶わないと、すでにはっきりしているのだから。

それでも抑えられないこの気持ちが、本気の想いなのだ。

自分でも気づかないうちに、恋心はここまで大きくなっていたことを、今初めて思い知った。




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