【完】恋愛モノポリスト

と、ポリポリと頬を掻いて言葉を濁した。
ぶっちゃけて言えば…瑶との間に、そういう雰囲気が流れた事は一度もなく。
いわゆる【プラトニック】と言えば格好良いんだろうが、健全な高校男子としては…如何なものか…。
正直、瑶はすごく魅力的だと思うんだけど…。
手を繋ぐか、瑶から抱き付かれる以外のスキンシップは、全く無くて、キスなんて…本当に程遠い。
…されそうになった事はあるんだけども。
さり気なくかわしてしまった事に、今更ながら申し訳ない気持ちになった。

するとそれを仁より先に察した綾乃ちゃんが、鋭く言い放つ。

「それ、ななのせいなの?」

アーモンド形のスッとした瞳に見つめられると、昔から弱い。
なので、俺は自分の思ってる事を嘘偽りなく全て話した。

「や、せいって訳じゃないよ…ただ、俺が悪いだけ…」

「……凌太くん」

「凌太…」

「やっぱりさ、ななが幸せならいいかなって思うんだけど…。俺バカだから、なんか色々と空回りしちゃってて。瑶の事も、傷付けてんのは、分かってんだけど…ね。…なんとか、協力してあげたいんだけどなぁ。どうしてもジェラっちゃう気持ちが強くてさ…器小さいなぁ、俺」

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