副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
「明日奈ちゃんもスーツってことは、真希と同じ会社で働いてるの?」

 彼は料理を運び終えた店員さんを呼び止め、生ビールのおかわりを告げると、おしぼりで入念に手を拭いて割り箸に手を伸ばした。

 余程お腹が空いているのか、いびつに割れた彼の箸はすぐに目の前のからあげを掴む。

「はい。部署は違うんですけど」

 真希を呼び捨てで呼ぶほどの仲だということは、恐らく企画者はこの二人なのだろう。

「明日奈ちゃん、営業って感じじゃないもんね。俺、部署当てるの得意なんだ! 当ててみようか。えっとね……」

 顎に手を添え、こちらを笑顔で見つめながら考え始める彼。

 待っている間、私の視線は落ち着きなくひたすらあちこちをさ迷った。

「マーケティング! どう? 当たってる!?」

 まさか本当に当てられるとは思ってもみなくて、私は思わず目を丸める。
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