fantasista 2
「そういえば今週末、観に来るんだよな?」
彼はそう言って、ごそごそと鞄をあさる。
そして、
「年パス持ってるお前には余計なお世話だけど」
あたしに二通の封筒を手渡した。
見るからに豪華なその封筒の中には……「invitation」金色の文字でそう書かれている、黒色の立派な紙が入っている。
結婚式の招待状?
首を傾げながらそれを開く。
そして、書かれている文字を読んだあたしの声は、
「VIP席!?」
裏返っていた。
なに?
VIP席ってなに!?
なんだかドキドキしてしまうあたしに、
「たまにはいい席で観てみろよ」
戸崎は告げた。