fantasista 2
戸崎はクールダウンの後、シャワーを浴び着替えて出てきた。
よく着ている黒いジャージだった。
いつも通りの戸崎だけど、今日は胸の高鳴りが治まらない。
あたし……結婚出来るんだ。
戸崎と結婚出来るんだ。
そう思うと、また泣きそうになった。
試合後の戸崎は、少し疲れた顔であたしを見る。
そんな戸崎に胸が熱く疼く。
「帰ろうか」
あたしに告げる戸崎に、左手を絡ませた。
その薬指には、ダイヤモンドの指輪が闇の中輝いていた。