fantasista 2






「もっとでかい、本物のキックターゲットをやってみたいな」




柊は言う。




「全部抜けたら百万円みたいなやつ」



「やっぱりあんたでも難しいの?」



「どうかな」




そう言って、柊は面白そうにあたしを見る。




「俺にとって、落とすのが一番難しいのはお前だけどな」





何を言ってるの。

あたしは完全にあんたに落ちているよ。

こうも全身で、後戻り出来ないほどに。





その手をぎゅっと握った。

すると、柊も同じように強く握りしめてくれて。

それだけで顔がにやけて幸せだと思った。


< 316 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop