fantasista 2
「もっとでかい、本物のキックターゲットをやってみたいな」
柊は言う。
「全部抜けたら百万円みたいなやつ」
「やっぱりあんたでも難しいの?」
「どうかな」
そう言って、柊は面白そうにあたしを見る。
「俺にとって、落とすのが一番難しいのはお前だけどな」
何を言ってるの。
あたしは完全にあんたに落ちているよ。
こうも全身で、後戻り出来ないほどに。
その手をぎゅっと握った。
すると、柊も同じように強く握りしめてくれて。
それだけで顔がにやけて幸せだと思った。