fantasista 2
戸崎のことを考えて、シャワーを浴びた。
戸崎のことを考えて、歯を磨いた。
そして、戸崎のことを考えて、ベッドに潜り込んだ時……
不意に玄関のチャイムが鳴る。
時刻は午後十一時を過ぎている。
こんな遅い時間に来るのは戸崎だろう。
あたしを心配して、見に来てくれたのだろう。
痛い腰を庇い、よたよた歩き、ドアノブに手をかける。
この先に戸崎がいると思うと、身体が熱を持った。
頰がにやけてしまう。
深呼吸して平静を装って扉を開ける……
「戸崎!お疲れ……」
笑顔でそう言った先に立っていたのは……
「……剛君!?」
だったのだ。