fantasista 2






「あの……今、夜中なんだけど」




あたしは剛君に告げる。

もちろん、家に入れるつもりもない。




「あたし、寝ようとしていたからこれで……」




そう言って締めかけた扉を、剛君はぐっと掴む。

男の力で掴まれた扉はビクともしなくて。

笑いながらあたしを見る剛君が怖いなんて思ってしまう。





「なぁ、そんな顔しないで、俺と話でもしねぇか?」



「勝手に入れると、戸崎が悲しむから……」



「柊には黙ってりゃいいじゃん!」




剛君はいたずらそうに笑う。


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