その恋、記憶にございませんっ!
「慎吾も俺と戦えると思っているのか!
 出直してこい!」

 いや、あんたは何様だ、と思っていると、蘇芳は、
「俺と戦えるのは宮本くらいだ」
と言い出す。

 いや、その人は、そもそも戦かう気のない人ですが……と思っていると、蘇芳は、

「ほら、唯、焼けたぞ。
 切ってやろうか」
と言ってきた。

「お願いします」
と頭を下げると、蘇芳は、

「焼けたか、宮本。
 焼いてやろうか」
と宮本にも言っていた。

 どっちが執事だ、と思っていると、宮本が、
「蘇芳様は、お好み焼きを焼くのが大好きなんです」
と言ってきた。

 車は置いて帰ることにしたらしく、一応、まだ仕事中の本田と宮本以外は呑み始めた。

 熱々のお好み焼きに冷え冷えのビール。

 確かに最高だな、と思っていると、宮本と目が合った。

「結構気が合ってますね、あの辺は」
と宮本は、蘇芳、翔太、慎吾の三人を見る。
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