365日、いつまでもふたりで
「勝手に思い込んでごめん……」


「いや、俺が悪いんだ。とりあえず部屋に行こうか」



ポケットからカードキーを出してあたしに見せる。



「うん」



竜くんについて向かった部屋は、とても綺麗な部屋で。
このホテルがいままで泊まったどのホテルよりも高級ということは、一瞬部屋に入っただけでわかる。



「茜、いい眺めだよ」



靴を脱いだあたしの手をとって、窓際に連れていく。

そこは目の前には海があって、オーシャンビューというやつだった。



「本当に綺麗……」


「茜にまだ全然俺の家のこととか話してねぇよな」



窓から海を眺めているあたしの後からギュッとあたしを抱きしめる。



「そう、だね」


「さっきのはさ、俺の姉貴」


「お姉さん……」



さっき見た女性を頭に思い浮かべる。
今思えば、どこか竜くんに似ている気がする。



「俺の家は、劉（りゅう）グループなんだ」


「劉グループって、あの医薬品の？」


「あぁ……劉とこのホテルの桃林（とうりん）が合併した話は知ってるだろ？」


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