365日、いつまでもふたりで
「気のせいだろ」



あたしの言葉に焦る様子もなく、車を発進させる。



「いやいや、言ったでしょ!」


「うるせーな、だったらなんなんだよ」



イライラしたような口調になる元太は、図星な証拠。



「なに、付き合ってるの?」


「はぁ!?なんで好きでもねぇのに付き合うんだよ」



横目でギロっと睨まれる。



「いや、名前で呼ぶから……」


「付き合ってない。ただ、体の関係はあると言っとけばいい?」


「はぁ!?」



〝付き合ってる〟という言葉よりも衝撃的な事実に、開いた口が塞がらない。



「好きな女が全然振り向いてくれないんでね」


「だからって……」


「あっちがそれでいいって言ってんだよ。なら、遠慮する必要もねぇだろ」



本当に流山さんはそれでいいのかな。
元太は、その言葉の裏に隠れる気持ちに気づかない振りをしてるだけじゃないのかな。



「ちゃんと考えてあげたほうがいいよ……」



同じ女の子として、流山さんが気の毒におもえてきてしまう。

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