愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
どうやら田中さんの話は本当なようで、ギョッとさせ代表はすぐに田中さんに詰め寄った。

「真実を申したまでです」

しれっと述べた田中さんに、代表はぐうの音も出ない様子。


するとあちらこちらで我慢できずに、噴き出す社員が続出。……申し訳ないけれど、正直私も気を緩めてしまったら、思いっきり噴き出してしまいそうだ。

そんな私の隣で、びっくりなことに副社長が「クククッ」と喉元を鳴らした。

すぐに彼を見ると、口元を押さえ笑っている。

「父さんも人のこと言えないじゃないですか。……なんですか、母さんと喧嘩したぐらいで泣くとか」

愉快そうに笑うその姿に誰もが視線を奪われてしまう。

だって社内で副社長が笑うなんて、初めてのことだから。

少しするとそんなみんなの視線を感じ取ったのか、副社長はハッとし、大きく咳払いをした。


「すみません、これからリバティへ向かいますので失礼します。……行くぞ、小山」

「あ……はい!」

先に歩き出した副社長の後を慌てて追いかけると、すぐに背後から代表の叫び声が聞こえてきた。
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