愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
不思議。さっきまで苦しくて悲しくて仕方なかったのに、副社長が私のことを心配してくれて追い掛けてきてくれて。

そして彼が怒ってくれているだけで、負の感情が薄れていく。

「ありがとうございます。……副社長がそう言ってくれただけで充分です」

素直な感情だった。彼が怒ってくれただけで充分だと。


けれど副社長の表情は晴れることがなく、ゆっくりと彼の指が私の目元に触れた。くすぐったくて一瞬瞼を閉じてしまう。

けれどすぐに開けると、心配そうに眉尻を下げ。私を見つめる彼と目が合いドキッとしてしまった。


「嘘つけ。……泣いたんだろう? 辛い時に無理して笑うな」

「……っ」


やだな、どうして副社長ってばこんなに優しいの? 今、こんな優しい言葉を掛けられてしまったら、せっかくこらえた涙が溢れてしまうよ。

思いは込み上げポロポロと零れ出す涙。

「すみませっ……」

「いいよ。……でも場所が場所だ。車に戻ろう」

そう言うと副社長は着ていたジャケットを脱ぎ、そっと私にかけてくれた。
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