愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
泣いていることがわからないようにしてくれたんだ。

優しい気遣いにますます涙は溢れるばかり。視界が遮られてしまった私の手を握ると、副社長は歩き出した。

道中、副社長は一言も発することなく、ただ私の手を強く握ってくれていた。


そして駐車場に着くと助手席のドアを開けてくれた。促されるまま乗り込むと、すぐに副社長も運転席に回り、車内にあったティッシュボックスを差し出してくれた。

「ほら」

「すみません、ありがとうございます」

受け取ると副社長はかけてくれたジャケットを取ってくれて、そのまま後部座席に置いた。

私はティッシュで鼻をかむ。


「お前、今日スマホどうした?」

「……え、スマホですか?」

「あぁ。ずっと鳴らしていたのに気づかなかったのか?」


嘘、ずっと? バッグの中を探すものの、スマホが見つからない。どうやら資料を間違えて持ってきてしまっただけではなく、スマホまで忘れてきてしまったようだ。

「その様子だと、会社に置いてきたようだな」

「……はい、すみません」
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