愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
その声に触発されたように、彼の口づけは深まるばかり。

どうして副社長にキスされているのかなんて、忘れてしまいそうなほど甘く蕩けるキスに、なにも考えられなくなる。

次第に息が上がっていき、けれどそれは副社長も一緒で。どちらのものともわからない吐息が給湯室に響く。


どれくらいの時間、キスを交わしていただろうか。最後にリップ音を立てて唇が離れたものの、瞼を開ければ妖艶な彼の表情に、胸が締めつけられてしまう。


「小山……」

愛しそうに私の名前を呼ぶと、彼はそっと私の首元に顔を埋めた時……、副社長室から内線のベルが聞こえてきた。

呼び出し音に副社長は顔を上げると、大きく息を吐いた。

「あ……あの、副社長電話が……」


私も次第に平静を取り戻していき、彼の顔が見られなくてしどろもどろになりながら言うと、副社長はイラつきながら「わかっている」と言った。


依然彼の腕が背中に回ったままの状態で、ゆっくりと顔を上げていくと副社長もまた私を見つめていて、目が合う。

すると副社長は名残惜しそうに触れるだけにキスを落とした。

「……っ」
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