愛され任務発令中！～強引副社長と溺甘オフィス～

思わず身体がビクッと反応してしまった私にクスリと笑みを漏らすと、副社長は「珈琲頼む」と言い、自室へと戻っていった。


副社長室のドアが閉まる音が聞こえてきた瞬間、身体中の力が抜けてしまい、ズルズルとそのまま座り込んでしまった。

い……今、私……副社長とキス、しちゃったよね？　それも何度も濃厚なキスをっ……！

おもむろに唇に触れてしまう。


鮮明に彼の唇の感触も熱い熱も、漏れる吐息もすべて蘇り、「わー!!」と叫びたい衝動に駆られ、必死に抑える。

どうして？　なぜ？　ばかりが頭の中を駆け巡っていく。

それに――……。キスされる前に副社長が言っていた言葉を思い出すと、どうしても自惚れてしまいそうになる。

もしかしたら副社長はヤキモチを妬いたのかもしれないと。


気になる人からの突然のキスに、私は混乱しっぱなし。しばらくの間立ち上がることができずにいた。