愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
えっと……今日の牡羊座の運勢はどうなのかな?

ドキドキしながら見ていくものの、一向に出てこない。これはもしや最下位か一位のどちらか。

アナウンサーがまず読み上げたのは……嘘! 牡羊座!?

まさかの最下位に頭の中でガーンという効果音が鳴り響く。


呆然と『今日の牡羊座は予定外のことばかりで、アタフタ。流れに身を任せてみてもいいかも』なんていう解説を聞きながら、ホットミルクが入ったコップに手を伸ばしたんだけど……。


「あ、わっ!?」

テレビに夢中でよく見ていなかったせいで、コップを倒してしまい、テーブルの上にホットミルクが勢いよく零れていく。


「あー、もう! なにやっているのよ」

「ごっ、ごめん……」


慌てて布巾で拭くものの間に合わず、お母さんがタオルを持ってきてくれて、どうにかテーブルの下に垂れることは免れた。


「まったく! 本当にこの子は毎日なにかしらやらかすんだから。来月から研修期間が終わって正社員として働くっていうのに、大丈夫なの?」

これにはなにも言えず、ひたすらテーブルを拭くことしかできずにいた。
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