カクシゴト
「舞桜…?」

「もし本当に、秋桜がそう思ってるなら、

馬鹿だよ。」

「どういうこと?」

「…っ」


舞桜は無言で近づいてきて、私を抱きしめた。


「可愛いってこと。お前。」

「えっ!?」


抱きしめられたまま、お互い無言になる。


散歩などをしてる知らないおばさんが


公園の周りを歩きながらこっちを見てくる。


すると舞桜は抱きしめてた腕を離し、


今度は私の肩を片方の腕がまわった。


もう片方の手で私の顎をおさえた。


「!?」


キスされた。


唇は3秒くらいのあいだついたまま。


「ま、舞桜…?」


ゆっくりと舞桜は手と腕をはなす。


「どうして…」


キスなんかしたの?


そう聞こうとしたら口を手で優しくおさえられた。


「帰ろっか、秋桜。」


頷いて私は少し前を歩く舞桜の後ろを歩いた。

_

「お、舞桜と秋桜おかえりー」


家に入ったらたまたま玄関にいた


お兄ちゃんともう一人知らない人に会った。


「お邪魔します、秋人。」

「ただいま、お兄ちゃん。」

「お兄ちゃんっていい響きだね、羨ましいな。

あきと〜」


呆れた様な顔をした後、


もう1度こっちを向いてきたお兄ちゃんは


少し困ったように笑った。


「紹介するよ、こいつ1個した…だから、

秋桜の一個上の渡辺一希。」

「かず兄ってよんでね」

「あ、はいっ」


舞桜は私たちが話してる時、無言だった。


私の少し前の位置にいて、ひたすら携帯をいじってた。


「お兄ちゃん、今日も友達泊まるの?」

「いや、今日は晩飯食いに行って、

その後夜まで家で遊ぶだけ。」

「そっか。」

< 19 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop