カクシゴト
「じゃあ舞桜、先に外で待ってるから、
荷物置いたらあとから来て。」

「わかった。」


そう言ってお兄ちゃん達は外に行った。


「まおっ、前に借りた服、いつ返せばいいっ?」

「…あー、今度でいいよ。」


少し下を向いたまま舞桜は2階へ上がっていった。


だけど、私はそれを追いかけた。
お兄ちゃんの部屋まで。


「舞桜、私、気にしてないよ!」

「…なにが?」

「あれで、舞桜と気まずくなるの、やだ…。」

「…」

「ねぇ、舞桜…?」


そういったあと、私は強く抱きしめられた。


「ここさ、どこだかわかってる?」

「お兄ちゃん、の、へや…?」

「そうだよ、密室。」

「それが、なに?」

「はぁ…」


私は床に押し倒された。


「俺さ、男だよ?

だから、キスした女と二人でいて
平気なわけないじゃん。」

「舞桜、なにいってるの?」

「だから…」


頭を持ち上げられ、キスをされた。


「こういうこと、したいって思ってる。
その先のことも。」

「…っ」

「だから、無闇に近づかないで。」


立ち上がって、舞桜は玄関に向かった。
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