私はあなたの恋愛相談相手~この思いを胸に秘めて~


スッと、スマホを制服のポケットに戻しながら馨はそう呟いた。


15日に…駅前…って偶然にしては…


本当に神様は意地悪だ。


よりによってそんなピンポイントで同じ時間、同じ場所。


…いや、二人の仲良い姿見たら私もようやく諦めがつくのかな…。


「そ、うなんだ。へぇ…楽しんで来てね!」


わざわざ合コンの詳しい情報を馨に言う必要もないと思い、私は言葉を飲み込んだ。



「おう!ありがとな。んじゃ、また報告するわ」



キーンコーンカーンコーン…



タイミングよく始業のベルが鳴り、周りの生徒たちも自分の席へと戻っていく。


その流れに乗り、自分の席に戻っていく馨の後ろ姿を見つめ、私は、小さくため息をこぼした。



"楽しんで来てね"なんて、これっぽっちも思ってないくせに…。



私も嘘が上手くなったもんだと、改めて実感する。



…15日は、会わないといいな。



そんな些細な願いを胸に秘め、私は、HRが始まるのを待っていた。






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