【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
おまけ 晴れた日の土曜日の偶然


ぽかぽかとした晴れた日、私は病院へと足を運んでいた。
会社の検診も請け負っているこの病院は、行きなれていることもあるし、なにより評判の女医さんがいる。

晃さんと結婚して1年半、喧嘩もするが幸せな日を過ごしてる。
こんな日がくるなんて、片思いをしていたころからすれば、夢のようだ。
それに……。

そっと私はお腹に触れる。
検査薬が間違っていなければ、きっとここには待望の赤ちゃんがいるはずだ。

「晃さんとはいつでもいいね」
そう話してから、数カ月、私たちのもとに来てくれたかもしれない命。
それを確かめるために私はその病院に向かっていた。

数分待って、ドキドキしながら診察を受ける。
「うん、妊娠してますね。12週ぐらいかな」
やっぱり!
私ははやる気持ちでつい聞いていた。
「男の子ですか?」
私のバカ……。わかるわけないじゃない。

そんな私を見て、女医さんはコロコロと笑い声をあげる。
「すみません……」

「全然いいのよ。楽しみね」
「はい」
その言葉に、私はまだ豆粒ほどしかない赤ちゃんをモニターでみる。
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