【11/7改訂版】お願いダーリン! ~大好きな上司に片思い~
冷や汗が背中を流れる。

結花はなんとか平静を装っていたつもりだったが、ズキンっと言う衝撃と共に、結花はしゃがみこんだ。

「おい!小松?」
「結花ちゃん!」

慌てて駆け寄ってくれた先輩に、なんとか結花は笑顔を見せたかったが、それもできず顔を歪めた。

「すみ……ません。ちょっと古傷が……」

「携帯で、本部連絡して迎えにきてもらお?」

「え!?携帯圏外!」
先輩達の慌てた声が頭上からして、結花は無理やり言葉を発した。

「大丈夫です。少し休めばよくなるので、先に行ってください」
「そんなこと出来る訳ないよ。コースは班ごとに違うみたいだし、もし万が一なにかあったら……」

こんなとこで自分のせいで遅らせる訳には行かないと、結花は言葉を発した。

「本当にいつもすぐによくなるんです。少し休めば大丈夫なので先にいってください。ね?先輩」


結花の言葉に、先輩が決めたように結花をジッと見た。

「じゃあ、ここ動かないで。携帯の電波入る所まで行ったら、応援の人を呼んでくるから。さすがに男一人しかいないから、小松を連れてこの山登れない」


「はい。本当にすみません」
頭を下げた結花に、先輩達は急いで応援を呼ぶために上へと登っていった。
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