その甘い声は私だけに。
新しいクラス

「いいかー? 明日から授業始まるから忘れ物のないように。遅刻もダメだからな~」



教卓の前でみんなに言っている担任をボーッと眺める。


私は吉實琴子。
たった今、高校2年生になりました。
高校に入学してもう1年が経ったんて早いな~なんて思ってると


「まーたボッーとしてる」

そう呆れて言っているのは

「美咲ちゃん!」

私の大親友!松田美咲(まさだみさき)ちゃん。
美咲ちゃんは本当に美人さん!
鼻が高くて目が大きくて綺麗な黒髪をクルクル巻いていて余裕がある大人な女性って感じ!!
そんな美咲ちゃんと運良く2年間同じクラスになれました!はるくんとは離れちゃったんだけど…。



「今日も美人だね~美咲ちゃん!」

「は?何言ってんの?琴子にいわれるのは嫌味にしか聞こえないよ」

「嫌味じゃないよ!本当のことだもん」

「これだか無自覚は!!!」

「うわっ!」

ほっぺを掴まれてうまく話せない!

「みしゃきしゃんいひゃい」
(みさきちゃんいたい)

「琴子はこんな顔しても可愛んだから」

「しょんなこひょないひょ」
(そんなことないよ)

「てか琴子、こんなことしてていいの?今日お母さんに早く帰ってきてって言われたんじゃなかった?」

「あ!そうだ!すっかり忘れてた!」

「ほら~早く行きなって!」

「うん、美咲ちゃんありがとう!じゃあまた明日ね!!」

「明日ね~!」


そう言ってニコッと笑って手を振る美咲ちゃんは本当に美人さん。
私が男だったら絶対に彼女にしてる!


そう思いながら美咲ちゃんに手を振って急いで家に帰った。
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