光~明るいほうへ~
年端もゆかない少女は独り、道を歩いていた。
見知らぬ中年男性から声を掛けられる。
無邪気についていった先は男の車。
「知らない人についていってはいけません」
少女は大人たちにそう言われていただろう。
しかし、それを守らなかった少女が悪いのだろうか。
少女の身体を弄る男。
まるで人形のようにされるがままだった。
意志など持ってはいけない。
なにが起こっているのか考えてはいけない。
じっと息を潜めていた。
やがて性処理をすました男はこう言った、「誰にも言っちゃいけないよ」と。
しかしそんなことは幼心に理解できていた、「これは誰にも言えない事なのだ」と。
そして、少女はその事を記憶の奥に押し込んでいた。