俺様ドクターに捕獲されました


「わあ! 天野さん、本当にきてくれたんですね。うれしいです」

「私、アロマにも興味あるんです。ちょっと話聞いてもいいですか? 本当にひどい態度とってて、ごめんなさい」


見覚えのある数人の看護師さんたちに頭を下げられて、慌ててそれを押しとどめる。


「え、いえ。そ、そんな……気にしていないので」

「いや、本当にすみませんでした。正直、宇佐美先生の彼女って以前に、セラピストさんなんかになにができるのって思ってたんです。いくら看護師免許持ってるとはいえ、臨床を離れた人でしょって」


やっぱりそういうふうに思われていたんだ。コンプレックスを刺激されて悲しい気持ちになるが、彼女たちは私を見て目をキラキラと輝かせる。


「でも、すごいです。天野さんが担当している患者さん、みんな元気になって食欲も出て、抗がん剤治療の副作用も軽くなってて。夜間、不穏がある患者さんも天野さんが来た日はよく寝てくれるんです。ご家族も表情が明るくなったって驚いてました」

「それに、天野さんて仕事がていねいですよね。なんか、普段の自分の仕事ぶりを反省するところもあって。本当、ひどい態度とってて申し訳なかったです」


う、なんかちょっと泣きそう。これって、認めてもらえたってことだよね。どうしよう、すごくうれしい。

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