俺様ドクターに捕獲されました
そのうちのひとりが先ほどの男、宇佐美優(うさみゆう)だ。かわいらしい響きの名前とは正反対の見た目と同様、中身も肉食獣そのもの。
実家は地元で有名な大病院。勉強も運動もできて、見た目も完璧な彼はつねにスクールカーストのトップに君臨していた。
三歳年上のあの人は、私の兄の同級生で親友で、私の地元の“王様”だったのだ。
そんな人が、本来なら私など相手にするはずがない。だけど、親同士が仲がよく、さらに親友の妹である私は、あの人に一番近い異性だった。
小さい頃は、一緒に遊んでほしくて兄と彼のことを私が追いかけ回していた。
子どもの頃の三歳差は、なかなかに大きい。相手にならず泣かされることも多かったが、仲間にいれてもらえると自分が大きくなった気がしてうれしかった。
だけど、小学生にもなれば自分の世界が広がり、同世代の友人とだって遊びたくなる。それは、当たり前のことだったはずだ。
だけどその“当たり前なこと”を、彼は許してはくれなかった。
ある日、私は彼と兄の誘いを断って同じクラスの友人と遊びに行こうとしていた。それが気に入らなかった彼と、言い争いになったことがあった。