俺様ドクターに捕獲されました


それをきっかけにアロマに興味を持ち、家でもディヒューザーを使ってアロマを焚くようになった。


そして、アロマセラピストという職業を知り、仕事の合間を縫って学校に通うようになったのだ。


最初は、看護師をやめるつもりはなかった。看護の仕事に、役に立てばと思って始めたことだった。


だけど、臨床の場から逃げ出したいと思っていた私に、佳乃さんからの誘いはすごく魅力的で……。


そうして私は、看護師をやめ、セラピストとして生きることを選んだ。


今の道を選んだことを後悔はしていないし、プライドも持っている。


いつかセラピストとして、医療の現場に携われればと思っていた。そのための勉強もしている。


だけど、まだ自信がない。


だから、彼からこの依頼を受けたときに、どうしようもなく不安になった。私は、病院という命の現場で役に立つのだろうか。


一度、逃げだしてしまっている私が……。


「きっと私、向いてなかったんだよ。だから、不安なの。臨床の場で、またなにもできないかもしれない」


「……りい、なんで看護師になるって決めたか覚えてるか?」


「え?」


黙って私の話を聞いていた彼の言葉に、首を傾げる。


いつ、看護師になるって決めたか?


よく覚えてないけど、気がついたら私は看護師になるんだって思っていたような……。

< 80 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop