俺様ドクターに捕獲されました
それをきっかけにアロマに興味を持ち、家でもディヒューザーを使ってアロマを焚くようになった。
そして、アロマセラピストという職業を知り、仕事の合間を縫って学校に通うようになったのだ。
最初は、看護師をやめるつもりはなかった。看護の仕事に、役に立てばと思って始めたことだった。
だけど、臨床の場から逃げ出したいと思っていた私に、佳乃さんからの誘いはすごく魅力的で……。
そうして私は、看護師をやめ、セラピストとして生きることを選んだ。
今の道を選んだことを後悔はしていないし、プライドも持っている。
いつかセラピストとして、医療の現場に携われればと思っていた。そのための勉強もしている。
だけど、まだ自信がない。
だから、彼からこの依頼を受けたときに、どうしようもなく不安になった。私は、病院という命の現場で役に立つのだろうか。
一度、逃げだしてしまっている私が……。
「きっと私、向いてなかったんだよ。だから、不安なの。臨床の場で、またなにもできないかもしれない」
「……りい、なんで看護師になるって決めたか覚えてるか?」
「え?」
黙って私の話を聞いていた彼の言葉に、首を傾げる。
いつ、看護師になるって決めたか?
よく覚えてないけど、気がついたら私は看護師になるんだって思っていたような……。