空高く、舞い上がれっ。
「距離を置くイコール別れた、ってわけじゃないよ。まだわからない。輝空くんが戻ってくるまで……待と?」

距離を置く──
それはわたしにとって……

「別れましょうって言われたことと、同じだよ」

──……しまった
冷たい言い放しをしてしまい、振り向いてすぐに、ごめんッ。と寧音に謝った。

「寧音、尊……わたしといない方がいいよ‥…。わたし今、自分しか見えない」

こうしてわたしを心配して来てくれた二人に八つ当たりをしてしまう。愚かな自分に嫌気がさし、俯いた……

「謝んなよ。俺たち、そのために来たんだから」

尊の言葉に、顔をあげてふたりを見上げる。

「歩舞、いいんだよ?泣いていいから……あたしにイライラぶつけていいから。全部出し切ってさ涙もカラになったら……それからでいいから元気、出して?」

寧音はどこまでわたしを受け止めてくれるのだろう。たまに見せる寧音のそんな姿がわたしの救いなんだ。
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