空高く、舞い上がれっ。
「いや、おはようっていうか……」

いいから早く食べなさい。と、キッチンに立つ母に急かされ、あ然としていたわたしは椅子を引いて二人の向かい側に座った。

「これ、美味しいよー、大根のお味噌汁」

「で。わたしはまた二人を呼んじゃったってこと?」

記憶ないんだけど。と呟きながら、テーブルの上に肘を付きあごを乗せてだらける。

「違うよ?なんとなく迎えに来てみただけ」

微笑む寧音は、エリンギは何にでも合うからいいよな。と、ほうれん草とエリンギのバター炒めを箸でつつく尊の頭を小突いた。

二人を見て、あったかいな……と、そう感じる。



玄関を出る時、ローファーを履くためにかがんだわたしの後ろで

「ホコリがついてるよ」

寧音は背中についていたそれを取ってくれた。
ありがとう。と告げると寧音と尊はわたしの顔を見つめる。

「……まだ頑張ろ?歩舞」

「え?」
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