月の瞳を持つ少女





少女の瞳は何も映していなかった







両親への怒りもかなしみも







まるで、感情を無くしてしまったお人形のようにただそこに座っていた










そこに、ある訪問者が訪れた









それは、一人の老爺と7歳か8歳かそれ位の少年








それはあまりにも不自然な光景







老爺はともかく、そんな幼い子供が人身売買を行っているこの地へ赴くだろうか










少年はキョロキョロと売られている"商品たち"を品定めしていく








その様子を見るに、その少年がここにいる商品の購入者となるのだろう










老爺はそんな少年を微笑ましく見つめている








しかし、そんな様子も少女にはただの景色同然だった







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