彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「・・・・ヤマト・・・・!」

「うははははは~!いやぁ~なんか、学校にいじめられっ子がおるんやけど、どないしたらええやろう!?ちゅー世間話しただけやねん!」

「ヤマトっ!」

「人間とは誰にでも、光と闇はある。」





そう言うと、後ろ手で腕組みしながらシゲ先生は言った。





「蓮君、君のしていることを悪いことだと、私は思わない。」

「シゲ先生!?」

「判断は、すべてが終ってからわかること・・・凛道蓮をやめると決めるのはまだ早い。」

「・・・・僕のこと、お兄ちゃん達には、黙っていてくれますか・・・・?」

「言ったはずだ。患者のプライバシーは言わん。」





そう告げると、少し表情をゆるめながら言った。





「そのことで気をやんで、病気になっても困るからね。患者さんの負担になることを医者はしない。」

「シゲ先生!」

「まぁ、今後はカルテを書くのに困るだけだけどね。」

「シゲ先生・・・・!」





そう言った先生が仏様に見えた。



〔★シゲ先生が味方に加わった★〕



最強の協力者を得たことで、胸一杯の感謝が広がる。



「あ・・・・ありがとうございますシゲ先生・・・!!」

「良いんだよ。患者を治療することが言者の務めだからね。」

「そ、そうじゃなくて~!」





私のありがとうを、怪我の治療だと受け取るおじいちゃん先生。





「うはははは!ええじいさんやんけ!」





そんな私達を見ていたヤマトが陽気に言う。





「凛のこと内緒にしてくれるって、言うとるんやからのぉ~これで病院の心配はなくなったな!」

「そ、そうですね・・・・ヤマト・・・」

「いいや、私はヤマト君が心配だよ。簡単に、友達の個人情報をしゃべってしまうんだからね。」

「あ!?言われてみれば~」





良い先生だったからよかったものを~





「普通なら、バラされてるじゃないですか!?ヤマト!」

「うはははは!まぁまぁ、落ち着きぃーや!わし、シゲ先生ならバラさへんって気がしたねん♪」

「今回はね!でも、みんながみんな、シゲ先生みたいに良い先生だとは~」

「わかりませんよ。」

「「シゲ先生!」」





言ったのは、紳士的な医師。



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