初恋のキミは最愛ヒーロー

きっと、優しい壱夜くんのことだから、私や神楽くんに余計な心配をかけないようにと思って、何も言わないんだろう。


とても気になるけど、言いたくないことを無理に聞き出すわけにもいかない。


友達だからこそ、こういう時に力になりたいのに、何も行動出来ずにいる自分がもどかしいよ…。


「あのさ、最近の壱夜……なんだか様子が変じゃない?」


神楽くんも、やっぱり気になってたんだ…。


不安げな表情を浮かべる彼に、同意するように頷いた。


「今まで、お昼休みに電話したりすることなんて無かったよね。それに、スマホの画面を見てる時の壱夜くん、なんだか表情が曇っているし…」


「あくまで俺の推測なんだけど、アイツ…紅月のことを調べてるのかもしれない」


「紅月くんを?」


「うん。面識ないはずなのに、紅月は壱夜のことを前々から知ってる雰囲気だったんでしょ?いつ、どこで会ったのか分かれば、壱夜のデタラメな噂を流してた理由や、莉彩ちゃんに手を出そうとした理由が何か掴めるかもしれないから」


確かに、その可能性は十分ある…。


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