初恋のキミは最愛ヒーロー
「あっ、莉彩ちゃんだ!」
桃舞くんが私に気付いて手を振る。
私も振り返すと2人は傍までやって来た。
「莉彩ちゃん、体調はもう大丈夫なの?」
「うん、すっかり元気になったよ!」
「そっか、良かった…!」
安堵する桃舞くんの隣で玲音くんも優しい笑みを浮かべる。
「浴衣姿、可愛いじゃん。碧瀬によく似合ってる」
突然そう言われた私は、照れくささのあまり顔が熱くなってしまった。
「あ、ありがとう…」
「本当、めちゃくちゃ似合ってて可愛いよ」
桃舞くんまで…。
きっと、大げさに褒めてくれてるんだと思うけど、素直に嬉しい。
「ところで、桃舞くんたちはこれからどこに行くの?」
「俺ら家庭科部の手作り焼菓子を食べに行くところなんだ。すごく美味しいらしいんだけど、去年は午後に行ったら売り切れだったから」
「へぇ、焼菓子かぁ…」
「今日は神楽の誕生日だから、俺が奢ろうと思ってさ。いつも色々と俺の話を聞いてもらってるし」
「そうなんだ……って、えっ!?今日って桃舞くんの誕生日なの!?」
しれっと玲音くんからもたらされた情報に、声のボリュームが上がってしまった。