【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!
芽衣の腰をぐいっと自分の方へ近づける。同時に梨田の顔も芽衣に近くなっていた。
「やだ、何するのよっ寄らないでよ」
芽衣は梨田の胸を力いっぱい両手で押した。
「あんたが寄らせたんだぞ」
「え?」
「あんたが俺をエキサイトさせたんだ。本当は、今夜は会ってうまい料理を食べるだけのつもりだったんだからな」
「私だってそうよ。離してよ、こんな街中でやめてよ」
「やめてもやってもいいよ。あんたが俺の下の名前を呼んでたのんだらね」
「何言ってんのよ。私にあなたの名前を呼ばせてどうなるの?」
「今夜、あんたと過ごせなくても、少しは収穫があった気になれる。何もないんじゃ、あんたに会った意味ないだろ?」
「は?」
意味がわからない。
収穫とか何とか。
芽衣は、また梨田の胸を押そうと力を出した。
「あんたが俺の名前を呼んだら、すぐに手を離す。簡単なことだろう?さっ早くしたら?」
梨田の腕が芽衣をつかまえ、梨田の瞳が芽衣をじっと捉えていた。