妹の恋人[完]
「たけくんがね、おおきくなったらね、カナコとけっこんするんだって!」

持っていた箸を、落としてしまった。

たけくんってだれだよ!?

あわてる俺の姿に、母さんは爆笑していたっけ。

でも、俺の知らないカナコは、幼稚園でプロポーズされているのか???

「まあ、カナコ。たけくんかっこいいもんねぇ」

幼稚園でたけくんを見たことのある母さんは、うれしそうなカナコに笑いかけている。

俺は笑えないぞ!カナコは俺だけのものだ!!!

「でもね、カナコね、たけくんにごめんなさいしたの」

「カナコね、おおきくなったらね、おにーちゃんと、けっこんするんだ!」

隣に座っているカナコを、食事中なのに思わずぎゅーっと抱きしめてしまった。

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