妹の恋人[完]
受験勉強
2年生になり、授業の内容が1年生とは比べ物にならないくらい難しくなった。

自宅での勉強だけでは追いつけず、塾で過ごす時間もずっと増えて。

バスケットのこともすっかり頭から離れて、毎日勉強をして過ごしていた。

カナコも、4年生になってから水泳部に入り、プール開きが来るまでは走りこんだりして部活で忙しそうにしていて。

スイミングスクールでもなかなかの成績を残せているようで、大会などにも出るようになっていた。

お互いに家にいる時間が短くなって、なかなか一緒に過ごすこともできなくなっていた。

進級してからあっという間に1か月が過ぎて、ゴールデンウイーク。

父さんも休みが取れたとかで、家族で温泉旅行へ出かけることになった。

「近くだけどな」

父さんの運転で、2時間ほどかけて着いた温泉街。

着いてすぐに二人で仲良く温泉へと行ってしまった父さんと母さん。

いつまでも仲の良い二人にちょっとあきれながらも、それでも幸せそうな二人の姿がうれしくて、俺もカナコを連れて旅館を出て小さな商店街をあるくことにした。

「ハナちゃんにお土産買うんだ~!」

小さな土産物屋さんでかわいらしいキーホルダーなどを選んでいるカナコ。

俺も、高橋さんへの土産を選んだり、温泉まんじゅうを試食してみたり。
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