妹の恋人[完]
シャワーを浴びてキッチンへ行くと、すでに朝ごはんが始まっていて。

「ごめんね、お先に頂いてます」

なんてカナコの丁寧な言葉にちょっとびっくりしたりして。

遅れて俺も一緒に食卓に付くと母さんが食事を出してくれた。

「コウヘイは今日もバイトか?」

「うん。父さんは今夜も遅いの?」

家族4人がそろって平日に朝食を取るのは、何年ぶりなんだろう?というくらい久しぶりのことで。

いつも忙しかったり、単身赴任で家にいなかった父さん。

こうしてそろうとやはりうれしい。

「そう、今日もバイトです」

温かいスープを飲みながら答えると、じゃあ今日行くかなんて皆が話していて。

何の話だろう?と思っているとどうやら夕飯に俺のバイト先へ食べに行くという話になっていて。

「えー、俺も焼き肉食べたい」

「あはは。コウヘイの働いている姿を見に行くんだから、お前はまた今度な」

「おにいちゃんが注文取りに来てね!」

カナコも母さんもうれしそうで。俺も一緒に行きたいけど、お店に来てくれるのもうれしくて。

「店長にサービスしてくださいって頼んどくよ」
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