妹の恋人[完]
別れのとき
毎日焼き肉屋と家庭教師のバイトに追われ、遊びに行く時間もなくなったまま年末を迎えて。

カヨちゃんとは、毎朝一緒に登校し、冬休みを迎えるころには一緒にコートの中を走り回るようになっていた。

「見ているよりも、プレーする方が楽しい!」

笑顔で走り回り、男性に混ざって一緒にボールを追いかけている姿を見るのも楽しくて。

なかなかうまくボールに追いつけなかったりしているけど、それなりに楽しんでいた。

「ねえ、クリスマスイブの予定は?」

朝練を終えていつものように一緒に歩いて講義へと向かう。

家庭教師を始めて以来、デートらしい事をしていない俺達。

朝以外に二人きりで会うのも、週に1度日曜日にお互い何も予定のない時だけで。

「ああ、クリスマスイブ?」

今年のクリスマスイブは、水曜日。家庭教師のバイトの日と重なっていた。

「家庭教師だな・・・」

世間は少し前からクリスマスムード一色に染まっていて。

駅前のお店もすっかりクリスマスで、イルミネーションもきれいだった。

「やっぱ家庭教師かー」
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