妹の恋人[完]
春休みも終わり、大学2年生になった。

あれから、カヨちゃんは本当に大学を辞め、地元へ戻ったと友達から聞いて。

彼女なりに元気にやっているようだった。

なんでも、専門学校へ通いだしたとかなんとか。

何の専門学校かまではわからないけど、とにかく自分の道を進んでいることは確かなようで。

俺は、家庭教師のバイトを続けるつもりで、大学の掲示板をチェックしたりしながら探していたけど、思うような条件ではなかなか見つけることができなくて。

今まで通り、焼き肉屋のバイトだけであとはのんびりと過ごしていた。

「おにいちゃん、ここわからない!」

中学生になり、制服姿も様になってきたカナコは、相変わらず水泳三昧で。

俺の妹だということが信じられないくらい、成績に関しては真ん中よりも少し下で。

テスト前になると、必ずといっていいほど俺に泣きついては毎晩遅くまで勉強を手伝わされた。

「あのなぁ。カナコ、もう少し普段から勉強した方がいいと思うよ?」

俺のお得意な数学が全くできないカナコ。

「だってぇ・・・」
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