誘惑。
「か、課長〜っ!何してるんですか!?」

「抱っこ。嫌なら離れれば?」

「っ!?……っ、嫌じゃないです、けど… 恥ずかしくて死んじゃいそ…… 」

頭上から微かに聞こえた課長の笑い声。

あぁ、私きっと遊ばれているんだろうな。

「これで、充分だろ?今日はもう帰れ」

そう言って膝から降ろしてくれたが、気持ちはまだ盛大に名残惜しい。

だが、これ以上いてもいっぱいいっぱいなのも理解できる。

「あ、ありがとうございました。……お疲れ様です」




私には彼を落とすことができるのだろうか?

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