誘惑。
仕事の邪魔はできない。

考えた末、座っている課長を後ろからギュッと抱きしめみた。

ほのかに香る課長の匂いからはきっと私を虜にするフェロモンが出ている気がする。

「おい。……苦しい」

「……っあ!す、すみません!つい力が入ってしまって… 」

課長の首に絡めた腕は思いの外、力んでしまっていた。

「ろくにハグもできないのか?」

「す、すみません」

「はぁ… こうやってすんだ、よっ__

「きゃっ」

クルッと回転した課長はいとも簡単に私を抱き寄せた。

まさかのお膝に抱っこ状態。
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