Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「彼女は脅迫を受けています。実際に何度か襲われたことも」
「そう。それは痛ましい。けれど、それが私となんの関係があるのです?」
たいして興味のない顔で、伯母様は品よく日本茶に口をつける。
「正直に言いましょう。あなた……もしくは、あなたの周囲の人間を疑っています」
御堂さんの言葉を受けて、伯母さまがことりとお茶の器を置いた。
わずかに目が鋭くなった気がする。
「その根拠は?」
「私の会社の従業員にも手を出しましたね。退職したデザイナーの行方について、知り合いの探偵に追跡してもらいました。彼はあなた方橘家が仕切る一部上場企業に再就職していたことがわかりました」
「手を出したとは、人聞きの悪い。優秀な社員を我が社へ迎え入れることに、なんの問題がありますか。そもそも、あなたの会社の待遇に問題があったということでしょう。だいたい、その件と彼女とは無関係ではないですか」
「彼女の存在をパーティーで公表した直後に、彼女の素性や詳細な個人情報まで調べ上げられるのは、橘家ほどの後ろ盾がなければ不可能でしょう。あなたでないと言うのなら、あなたの息のかかった誰かです。少なくとも、俺と千里の婚約にメリットのある人物」
伯母様は表情をぴくりとも動かさぬまま、胸元から扇子を取り出し広げた。
涼やかな顔色で、はたはたと優雅に仰ぐ。
「そんな穴だらけの推測は、根拠とは言いませんよ、夕緋殿」
傍観していたお父様までも、伯母様を疑って譲らない御堂さんの姿勢に反感を持ったのか、口を出してきた。
「そうだぞ夕緋。お前の話は飛躍し過ぎている」
御堂さんがわずかに首をもたげ、瞳を閉じた。
「では、犯人が伯母様でないと仮定して、事態の収拾にご協力いただけないでしょうか。橘家の技術力と情報網があれば、すぐにでも犯人を挙げることができるでしょう。もちろん、ただでとは言いません。それなりの対価をご用意します」
「そう。それは痛ましい。けれど、それが私となんの関係があるのです?」
たいして興味のない顔で、伯母様は品よく日本茶に口をつける。
「正直に言いましょう。あなた……もしくは、あなたの周囲の人間を疑っています」
御堂さんの言葉を受けて、伯母さまがことりとお茶の器を置いた。
わずかに目が鋭くなった気がする。
「その根拠は?」
「私の会社の従業員にも手を出しましたね。退職したデザイナーの行方について、知り合いの探偵に追跡してもらいました。彼はあなた方橘家が仕切る一部上場企業に再就職していたことがわかりました」
「手を出したとは、人聞きの悪い。優秀な社員を我が社へ迎え入れることに、なんの問題がありますか。そもそも、あなたの会社の待遇に問題があったということでしょう。だいたい、その件と彼女とは無関係ではないですか」
「彼女の存在をパーティーで公表した直後に、彼女の素性や詳細な個人情報まで調べ上げられるのは、橘家ほどの後ろ盾がなければ不可能でしょう。あなたでないと言うのなら、あなたの息のかかった誰かです。少なくとも、俺と千里の婚約にメリットのある人物」
伯母様は表情をぴくりとも動かさぬまま、胸元から扇子を取り出し広げた。
涼やかな顔色で、はたはたと優雅に仰ぐ。
「そんな穴だらけの推測は、根拠とは言いませんよ、夕緋殿」
傍観していたお父様までも、伯母様を疑って譲らない御堂さんの姿勢に反感を持ったのか、口を出してきた。
「そうだぞ夕緋。お前の話は飛躍し過ぎている」
御堂さんがわずかに首をもたげ、瞳を閉じた。
「では、犯人が伯母様でないと仮定して、事態の収拾にご協力いただけないでしょうか。橘家の技術力と情報網があれば、すぐにでも犯人を挙げることができるでしょう。もちろん、ただでとは言いません。それなりの対価をご用意します」