さくらが散る日には

あんまりジッと見てるとなぜかいけないことをしているような気持ちになったが、

それでも私は青年から目を離すことはできなかった。



ヒラヒラヒラ…ぴと。


あ…桜の花びらが…


ヒラヒラと舞い落ちてきた桜の花びらが、青年の前髪にぴたりとくっついた。


(私が花びらでもこの人に向かって落ちるんだろなぁ)

なんてくだらないことを考えていたら、


「…んっ…」

っ!!!!


「…スー…スー…」




ドキドキドキドキドキドキ…


またしても心臓が止まりそうになった。


(今日だけで2回は死にかけた…)



青年が起きないうちに退散しようと思い、

身体を翻して中庭を後にしようとしたとき


グイッ






え?



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