桜色の涙
「……はい」
返事は短かった。でも、聞こえた言葉は確かに俺の望んでいたもので。
思わず言葉を失った。それくらい嬉しくてたった今のできごとが信じられなかった。
夢でも見ているんじゃないかな。憧れの人に告白してOKをもらえるなんて、そんなに都合のいい現実あるわけがないんだから。
……とは思ったもののいっこうに覚める気配はない。
頬をつねって何回も瞬きをしても見ている景色は変わらない。
もしかしてこれは現実……?
「えっ、本当に俺でいいの?」
驚いて少し興奮気味に尋ねてしまった次々に喜びがこみ上げてくる。
浮かれながら質問した俺に、彼女はコクリと首を縦に振る。