死にたがりのブルー
まったくもってその通り。
普通なら誰がなんの部活で誰がエースで入っただの辞めただの、そんなこといちいち気にしてられないのが普通で、きっと興味さえない。
なのに早川くんともなれば、そうはいかないらしい。
最初こそ嘘かと思った私だけど、毎日のように陸上部の練習風景を見学していたファンの子たちが大騒ぎしている様子を見て、あれが冗談なんかじゃなかったことくらいすぐ分かった。
「でも、確かに気になるね。なんの前触れもなく突然なんて」
舞は噂好きだ。
トレードマークのワンレン黒髪ボブをさらりと耳にかけ、騒ぎ立てる女子生徒や廊下で号外を配り続ける新聞部を眺めながらニヤニヤしている姿は楽しそう。
そして私は、というと実は少しほっとしていたりして。
「なに、どうしたの希帆」
「う、ううん!何でもないよ」