副社長のイジワルな溺愛

「着替えある?」
「……私サイズの服しかありません」
「そうか。まぁ、そのほうがいい」

 副社長の言った意味がわからず、私はまたしても首を傾げる。
 着替えがないなんて困るはずなのになぁ。


「他に男の気配がない証拠だって言ってるんだ。過去にもな」
「っ……!! だから、高校の時に好きな人くらいはいましたよ」
「男を部屋に泊めたことはないだろ?」
「……はい」


 ふっと笑った彼が私の頭にポンと手のひらを置いて、居室に戻っていく。
 その後を追う私は、副社長の広くて引き締まった背中を凝視してしまった。

 健康的な肌色と肩甲骨の凹凸が綺麗で。
 広い肩幅と弛みのないウエストの比率は、世間でいう逆三角形というものだろうか。

 腰骨のあたりで巻かれたバスタオルがやたら色っぽくて、どうか解けないようにと願う。


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