副社長のイジワルな溺愛
書店で車を停め、新刊の棚や好きな作家の本が陳列されている場所を行き来しながら、買いたい本を三冊に絞った。
彼も欲しかった本があると言っていたけど、会計を済ませて袋から出して見せてくれたのは、世界の建築をまとめた図鑑のような分厚いもの。ネットでは完売らしく、すぐに手に入れたくて買ったらしい。
とても分厚くて重たいそれを嬉しそうに見せてくる彼は、少年のようにキラキラした笑顔をしている。
「毎年買ってるから、今年分を逃すわけにいかなくてさ」
「毎年!?」
「一応、建築に携わってるからには日々勉強しないとな。こういう資料は、客先のオーダーのイメージを膨らませるのにいい勉強ができるんだよ」
「なるほど……」
ずっしりと重たい本と私が買った文庫本を後部座席に置くと、再び車を走らせた彼はホテルの駐車場に入った。