深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「ここまで来たんだし、信じるしかないか」
言い聞かせるように声を出して
胸に拳を置いた。
「……上がったぜ!待たせたな」
時刻は夜の7時20分くらい。
あれから少しして
智弘がシャツ姿で戻ってきた。
初めて見る部屋着にまたどきどきする。
「うぅん……だいじょぶ」
それにしてももう夜ということに驚く。
媛乃に、魔莉乃の頼みで魔莉乃の記憶を
見せられて目が覚めたのが
1時くらいで
そこから恢斗の手料理を食べて
智弘と甘い時間を過ごして
夕焼けを眺めていただけなのに
時間が経つのは早いものだ。
自炊する気にもなれず
智弘には悪いし恥ずかしいけど
昨日と同じ宅配ピザで
夕飯にした。
ごめんね、と謝る私に
「俺ピザ好きだし気にすんなって」
そう優しく言ってくれた智弘。
その優しさが私が彼に惹かれた
大きな理由だと思う。