深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~


「ここまで来たんだし、信じるしかないか」


言い聞かせるように声を出して
胸に拳を置いた。


「……上がったぜ!待たせたな」


時刻は夜の7時20分くらい。


あれから少しして
智弘がシャツ姿で戻ってきた。


初めて見る部屋着にまたどきどきする。


「うぅん……だいじょぶ」


それにしてももう夜ということに驚く。


媛乃に、魔莉乃の頼みで魔莉乃の記憶を
見せられて目が覚めたのが


1時くらいで


そこから恢斗の手料理を食べて
智弘と甘い時間を過ごして


夕焼けを眺めていただけなのに
時間が経つのは早いものだ。


自炊する気にもなれず
智弘には悪いし恥ずかしいけど


昨日と同じ宅配ピザで
夕飯にした。


ごめんね、と謝る私に
「俺ピザ好きだし気にすんなって」
そう優しく言ってくれた智弘。


その優しさが私が彼に惹かれた
大きな理由だと思う。
< 238 / 318 >

この作品をシェア

pagetop